狩野浩平 中山直樹
荒井勝喜・首相秘書官が性的少数者や同性婚をめぐる差別発言の責任を問われ、更迭された。当事者や支援者たちには驚きと憤りが広がっている。
性的少数者に関する情報を発信する団体「fair」代表で、ゲイであることを公表している松岡宗嗣さん(28)は「こんなド直球の差別発言が政権中枢から出てくることに衝撃を受けた」と話す。
同性婚について「秘書官室もみんな反対する」という発言もあった。「政権中枢が同じような考え方で固められているということ。シンプルだが、根深い差別感情を感じる」と語った。
同性婚訴訟の原告も「目を疑う」
首相秘書官は更迭されたが、松岡さんはこれが幕引きであってはならないと強調する。「政権がこのような人権感覚では、5月に主要7カ国首脳会議(G7サミット)を開催する資格は到底ない。改めて国民に『性的少数者の差別は許されない』というメッセージを出すとともに、当事者の権利を保護する法整備を進める必要がある」
同性婚を巡っては、各地で国を相手取った訴訟が起こされている。福岡の訴訟に原告として参加している熊本市の会社員こうぞうさん(40)は、差別発言を伝える記事に目を疑った。「紛れもない差別的な言葉。その言葉の刃の先には、僕自身も、大切なパートナーも、僕たちが法律上でも家族になることを願ってくれている家族もいる。むき出しの悪意に触れて、涙が流れました」
1日には岸田文雄首相が、衆…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル